当院では平成18年にプロペシア(フィナステリド)の発売当初から、AGAの治療を開始して、すでに約18年以上の歳月が経っています。元々、内科の医師ですから、詳しかったわけでありませんが、抜け毛に悩む友人に相談を受け処方を開始しました。当院では、フィナステリドの処方をしておりますが、AGAに対して他のお薬を使っておりません。理由がありますので、ブログに上げさせていたただ来ます。
まず、AGA薬は、どのお薬を使ってもやめると髪は徐々に元に戻ります。ある一定期間使って、それが服用をやめても維持されるのではなく、抜け毛を防ぐためには内服を継続する必要があります。つまり、長期に内服することが必要で、出来る限り副作用のないお薬を内服する必要があります。しかし、たとえばミノキシジルの内服は、どの国でも抜毛のために認可されている国はなく、また、元々、日本では循環器(高血圧)のお薬としても認可はされていません。つまり、AGAクリニックで出されているミノキシジルの内服の処方は全てが未認可ということになります。
ミノキシジル内服はAGAに対して一定の効果はあると考えますが、副作用としては、低血圧、頻脈、浮腫、体毛の増加などもありますし、重篤なものとして心不全なども報告があります。どんなお薬でも副作用はありますが、問題は、元々、高血圧にすら厚生労働省が認可していないミノキシジルのタブレットの内服は、あくまで自己責任か、もしくは処方した医師の責任であって、副作用が出ても国が一切の責任を負ってくれないということです。国の薬の副作用救済制度は医薬品は正しく使っていても、副作用の発生を防げない場合があるため、医薬品(病院・診療所で処方されたものの他、薬局等で購入したものも含みます)を適正に使用したにもかかわらず、その副作用により入院治療が必要になるほど重篤な健康被害が生じた場合に、医療費や年金などの給付を行う公的な制度が、「医薬品副作用被害救済制度」です。この適正ということが問題で、そもそも、日本において、ミノキシジルの内服に適性の基準はありません。
髪の毛を維持するために、ずっと継続しないと元の状態に戻ってしまう。すなわち長期に内服しないと効果が持続しないお薬にもかかわらず、副作用に対して何の救済も受けられないお薬がミノタブです。そもそも、ネットで処方されること自体もかなり問題もありますので、医師がそのリスクに対して保証してくれるとは思えません。
とは言っても、ミノキシジルの外用は薬局で購入することができ、安全に使用することも可能です。これに、フィナステリド内服することは効果が高いと思われます。
プロペシア(フィナステリド)は、ザガーロ(デュタステリド)と共に厚生労働省が認可したAGAお薬です。当院では外国の認可されていないものでなく、国内流通を認可されたフィナステリド(トーワ製薬 ヴェアトリス製薬)を処方しております。
また、ザガーロに関しては、前立腺肥大のお薬アボルブ(デュタステリド)と全く成分や容量が一緒であるため、前立腺肥大症状のある50代以上の方の場合、保険診療のみでデュタステリドを処方したり、泌尿器科を受診することを勧めています。デュタステリドもフィナステリドより効果はあるともいわれていますが、副作用もフィナステリドよりも強いともいわれています。若年者に長期投与はあまりお勧めできません。
当院の第一選択薬はフィナステリド0.2mgです。このお薬は効果は1mgと変わらないのに、治験においては、1mgの1/3以下の副作用でした、それもプラセボ薬よりも低い副作用率でしたので、ほぼ、副作用の心配はないお薬と考えています。また、1mgも副作用は普通のお薬よりも少ないお薬です。5%程度の人には、0.2mgより1mgの方が効果ありますし、0.2mgと値段も変わらないので、効果がなかったり、希望があれば1mgも処方しています。
フィナステリドは1年で60%の人が髪が増え、3年継続すると80%の人に髪が増えるお薬です。また、髪の増量がなくても、3年経っても98%の人は髪が維持されます。長期の内服に向いたお薬です。国外の認可のないAGA薬は副作用が起きた時の保証がありません。長期で内服するものはきちんとお薬の出どころを確認して内服を開始しましょう。